ホワットマンとハウマンのブログ

ホワットマンは新しい仕事を考案する人、ハウマンはその仕事を実行する人

東大名誉教授の話は面白い

 平成31年度、上野千鶴子さんが東京大学の入学式で述べた女性差別についての祝辞が面白いと話題をよんでいます。

 「ホワットマンとハウマン」の話も西村肇東大名誉教授からうかがいました。

 「西村肇名誉教授は東大助手時代に恩師の矢木栄教授から「化学プロセス設計」を最高級数学を駆使する新学問体系するという目標設定を与えられ、「化学プロセス工学」という学問書を書き上げた。」と言う話をうかがいました。矢木栄教授がホワットマンとなり、西村肇助手がハウマンとなったようです。

 また、西村教授は、国会において、「自動車の有害排出物をそれまでの1/10に減らすという」自動車排ガス規制が可能であることを理論的、実験的に示されたかたです。その結果昭和50年、日本では自動車排ガス規制法が成立し、3年後に施行された。一方、自動車の本家アメリカでは同様の法案(マスキー法案)がアメリカ自動車業界の猛烈な抵抗に遭って廃案となった。

 排ガス規制をクリアーするため、自動車メーカー技術者の不屈の努力により、日本の自動車エンジンは格段に改善され、日本の低公害車は世界を制覇するようになった。このときから、アメリカ車の凋落が始まった。そして、現在アメリ自動車産業が存亡の危機に直面している。日本の自動車排ガス規制がなければ、日本の自動車産業が破綻していただろう。西村先生は排ガスによる大気汚染から国民の健康を守り、なおかつ自動車産業に繁栄をもたらし、日本国の破綻をくいとめたホワットマンに見えます。

 これが原因で、東大から追放されかかったそうです。東大での公害研究はご法度と言うことで、追放を免れたようです。

 東大定年退職後、自由に公害研究ができるようになった西村名誉教授は、水俣病を研究し水俣病の科学」というを独創的な書籍を完成、出版しました。

 西村名誉教授の友人に養老猛司名誉教授がいらしゃいます。彼のベストセラー「バカの壁」を読んだとき「そういう壁はあるある」と感じました。でもその壁をどうやって打ち砕けるのだろうか。